車好きなので時々車雑誌を買って読む。昨日購入した雑誌カーグラフィック(CG)の10月におもしろいコラムがあった。自動車ジャーナリストの下野康史(かばたさんと読む)氏がおもしろい記事を書いていた。
それは昔に比べて自動車の安全装置が発達して、昔ほど恐い目に会うことがなくなったという記事だ。彼はマツダのRX-7でスピンして恐い目にあったらしいが、私も北海道の山道で友達の運転する車がスピンを起こし180度回転して止まったことがあった。90度だったら崖下に落ちていただろう。でもこんなことはしょっちゅうあったので、当たり前と思っていた。
昔は安全装置といってもシートベルトくらいで、それも誰も締めていないのが普通だった。その後エアバッグ、あるいは前後のクラッシャブルゾーン(つぶれることによって衝突の衝撃を和らげてくれるエリアのこと)等の安全装置や基準が次々と標準化され、今や事故を起こしても死んだりする確率はとても小さくなったと言える。しかし、これらはいずれも事故起こした場合の話で、事故を防ぐ仕組みではない。
ところが最近は予防策の方が発達してきて、自動的にスリップを防止する装置や、ブレーキがロックしない仕組み、あるいはタイヤが進歩してスリップしなくなったりと、こちらの技術革新が著しい。ほとんどがエレクトロニクスの恩恵を受けている。
さらに、最近はそのエレクトロニクスがますます進化し、一番新しいボルボでは前車とのスピードの差が時速15km以内であれば、衝突しそうになると自動車が勝手にブレーキをかけて、衝突を回避してくれるそうだ。スゲーけど、世話になりたくない。
この話を聞いていると、病気と一緒で、なった場合の治療法から発達して、今は病気を防ぐためにどうしたらいいか、あるいは事故が起きないようにどうしたらよいかに進歩の力点が変わっているのと同じ話だなと思った。
さて、本題である。エッセイの最後にこう書いてあった。
「北極のイヌイットが犬ぞりから手間のかからないスノーモービルに乗り替えるようになって、走行中の事故が増えているという。春先、氷がゆるむと、スノーモービルごと海に落ちてしまう。犬は氷の薄いところをちゃんとよけて走っていたのである。」
技術が進化すると人間の能力、とりわけ生存能力はどんどん退化していく。そのうち無菌豚みたいになってしまわないか、心配である。
この記事へのトラックバックはありません。
過去と比較して、最近の日本人にアレルギーが多いのも生存能力が落ちているせいなんでしょうかね。
生活が衛生的になり過ぎて、体内に寄生虫を持たなくなったことが一因と聞いたことがありますが…
nottiさんへ
コメントいただいたのに、返事が遅れ申し訳ありませんでした。
単行本の執筆を2冊も抱えて、ブログの更新ままならずです。
今回、モンゴルに行って、改めて自然の偉大さを知りました。自然と共存していくのが大事ですね。
と言っても自分は人工の都市の中での生活に慣れすぎていて、とても自然の中で生き抜けそうにありません。