一週間ほど前の日経新聞のスポートピアというコラムに元サッカー選手の水沼貴史氏がおもしろいことを書いていた。現在の日本代表チームの完成度を誉めながらも、まだ足りないものに「間合い」があるというものだ。
サッカーの間合いとは、相手選手にどれくらい前に立たれると威圧を感じるのかということで計れるという。たとえば中村俊輔や長谷部、遠藤などはどんなに眼前に立たれても焦ることなく、落ち着き払ってパスを出せるという。それに対して他の選手はまだまだということだ。
間合いは、ボールの置き場所、顔が下がらない、何かしそうな雰囲気、こうしたことが積み重なって作られると水沼氏は主張する。そして、それを修得した選手は、相手が「寄らば切るぞ」というオーラを放ち、相手は刀を抜くに抜けなくなるそうだ。中国の故事にある「木鶏」もまさにこの境地であろう。
分かる、分かる。と言ってもサッカーのことではない。私はこの間合いというのはすべてのプロフェッショナルに当てはまると思う。たとえば、コンサルタントをやっていると全く同感だ。優秀なコンサルタントはみんな自分の間合いを持っている。これは経営者もしかりである。
一方で、私自身は若い頃から、相手の間合いの中に入ってしまうことを得意としてきた。敢えて相手の懐に飛び込むのである。それによって、相手が胸襟を開いてくれればしめたものであるが、時には「若造が生意気な」と相手を怒らせてしまうこともある。でも、そうしたことの繰り返しが私の間合いを作ってきたことは間違いない。
水沼氏もいろいろなタイプの選手とと切り結ぶことで、自分の間合いを獲得できると述べている。
それはさておき、サッカー日本代表、ワールドカップ出場おめでとう!
素直に喜んでいます。後は本大会でどれだけ上位に行けるかですが、こればかりは一年後になってみないと分かりません。
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